マグネシウムとその特徴

 マグネシウムは、工業製品に使用される金属の中で最も比重が軽く、かつ高い比強度・比剛性を併せ持つ、工業製品にとっては理想的な素材です。マグネシウムの長所を整理すると、下記の通りになります。

・軽量

 マグネシウムの重さは鉄の約1/5で、一般的に「軽い」と言われるアルミの2/3の重量ですので、その軽さがお分かりいただけるかと思います。

・切削性に優れる

 マグネシウムは、工業製品に使用される金属の中でも切削性に優れる素材です。また、切削をする際にくぼみが出来にくいという特徴もあり、加工しやすい金属となっています。

・衝撃吸収性に優れる

 マグネシウムは、一般的に使用される金属の中でも、最も振動を吸収することが出来る金属です。そのため、振動を吸収する必要のある、自動車のホイールやスポーツ用具、スピーカーの振動板などの素材としても重宝されています。

・比強度、比剛性に優れる

 マグネシウムは、ほかの金属や樹脂と比較しても比強度、比剛性に優れる素材として知られています。アルミや鉄鋼と比較しても圧倒的に優れています。

 このように、マグネシウムはその特性故に長所を多く持つ、理想的な素材ですが、一方でマグネシウム特有のデメリットもあるため、注意が必要です。

・燃えやすい

 マグネシウムは、発火しやすいことで知られています。特に、切削加工などを行う際に、微細な切り屑が発生すると、切削による熱で発火する恐れがあります。さらに発火した状態に水をかけると爆発的な燃焼状態となるので注意が必要です。また、マグネシウムの端材や切粉は適切な処理を行わない場合、火災を招く恐れがあるため、専用の集塵機や容器での保管など厳重な管理が必要となります。

・腐食しやすい

 上記に加えて、マグネシウムのデメリットとして挙げられるのが「腐食のしやすさ」です。イオン化傾向が大きいマグネシウムは、特に塩分などに触れた場合には腐食があっという間に進行します。そのため、製品の素材として使用するには、化成処理や表面処理を行うなどして、耐腐食性を向上させる必要があります。

マグネシウムの加工におけるポイント

 マグネシウムは、前述のように切削性が良いのですが、塑性加工が難しい材料です。そのため、冷間での成形では割れが発生しやすいので、一般的には材料や金型をあたためて成形を行う必要があります。溶接では、アルミより溶けやすいので入熱をコントロールした適切な溶接条件を選定する必要があります。またデメリットである「発火のしやすさ」や「腐食のしやすさ」に注意をする必要があります。特に、切削をする際には、切粉は定期的に収集を行い、安全性の担保されている容器へ入れて保管を行うなど、安全面に留意しながら切削を行わなければなりません。ただし、近年では耐熱難燃性のマグネシウム合金も広まりつつあるため、以前のような扱いにくい金属という扱いから脱却しつつあり、その活路が期待されています。とはいえ、マグネシウムであることに変わりはありませんので、切削などの切粉や熱を発生する加工の際には、十分注意をしましょう。

マグネシウム加工品の写真

マグネシウム製 プレス加工品

マグネシウム製 フレーム