Before (改善前)

上図のようなアルミ成型品の製造には。押出成形が主に用いられています。押出成形は、大量生産には向いていますが、時には金型製作を含めて製造リードタイムが半年と長くなることもあります。また、小ロットでの製作の場合には、押出成形のための専用金型が必要となり、初期コストが高くなってしまいます。専用金型を使用すると、成型品の仕様変更が発生した場合に、柔軟な対応がしにくくなります。上述の通り、金型製造リードタイムの発生や、新規金型製作費用及び金型改造費用が発生してしまうためです。最終製品の仕様変更は回避できないことであり、最終製品製造メーカーのご要望に柔軟に対応することも上図のアルミ成型品の課題でした。

V

After (改善後)

押出成型を使用せず、板材のローリング加工とファイバーレーザー溶接を行う工法転換により、金型製作が不要となりコストダウンの実現が可能となります。また、専用金型を使用しないため段取り替えが不要となり工数削減が可能で、製造リードタイム短縮につながります。ローリング加工+ファイバーレーザ溶接への工法転換は、万が一設計変更が発生しても、新規金型の製造や改造が不要となるため、金型製造リードタイムを削減し、柔軟な対応が可能となります。当工法転換は、小ロット生産に特に向いております。

POINT(要約)

小ロット生産の場合、金型製作を回避することがコストダウンのポイントになります。当事例では、押出成形から曲げ加工+ファイバーレーザ溶接に工法転換することで、金型製作を回避できました。金型を不要とする工法は、設計変更への柔軟な対応も可能となります。大量生産の場合は、専用金型の製造がコストダウンにつながることが多いですが、小ロット生産の場合は専用金型レスにする工法を検討することを推奨いたします。